スポンサーリンク




作曲に疲れてきたら

作曲における趣味と仕事の境界線

 

f:id:ytek:20190211002235j:plain

 

作曲は趣味でやるぶんにはとても面白いものだと思いますが、仕事としてやると自分がやりたいジャンルや方向性の曲がつくれなくなることもよくあるので趣味と仕事の狭間でもんもんとしている人向けに僕がなんとなく思っていることを書きます

 

 

 

 

 

 

作曲を趣味でやるか仕事でやるか

僕は現状趣味半分、仕事半分で活動しています

そして最終的にどこに落ち着きたいかというと音楽を完全に仕事にしてしまうことです

このことを周囲の人たちに話すと正直あまり肯定的な反応は得られません

 

おそらく“音楽を仕事にする”ということは先天的な才能をもったごく一部の人間が成し遂げることができることであり、あまりにも博打的要素が強いという認識があるからでしょう

 

また、僕の作品自体に周囲を黙らせるほどの説得力がないのも大きな理由のひとつになっているはずです

 

しかしここで着目していただきたいのは“音楽”を仕事にする=”作曲家”を仕事にするというわけではないということです

 

 

音楽の仕事の種類

これには大きくわけて3つあると思います

 

  • アーティスト
  • 技術職(クライアントからの依頼を納期までに納品する)
  • 教育者(DTM講師等)

「音楽を仕事にする」といったとき一般的に連想するのは一番上のアーティストとして収益を得ていくというかたちでしょう

 

ただ、上記3つのうち一番博打的な要素が強いのはこのアーティスト活動による仕事だと思います

作曲家で有名になるためには博打的要素が強い

音楽にはその時代に沿っているか否かという壁がありどんなに技術的にすぐれた作品であったとしてもそれが今の時代に即してなければ全く作品としての価値が世間に認知されないことがよくあります

 

僕が創作活動の一環として制作しているHardcoreというジャンルを例に挙げると、自分でつくっていてこう言ってしまうのもなんですが日本で一般的な人に説明してもほぼ理解されません

誤解のないようにいっておくと、ここで定義する一般の人とは音楽を程ほどに聴く人たちのことです

 

毎日死ぬほど新しい音楽を求め聴きまくっている音楽オタクであればHardcoreというジャンルを好きな人は日本にもたくさんいますし、イベントで大いに盛り上がっている光景も見てきました

 

近年は音楽ゲームの影響もあり、認知は広くなってきていると思います

しかしその認知の大きさはHardcore発祥の地、オランダや同等の盛り上がりをみせるイタリアと比較すると天と地の差があり、まだまだ日本では知る人ぞ知る音楽であるという感じが否めません

 

このようにその時代やその国に今求められているものを分析し、かつ運が結構な確率ではいってくるこのアーティストという職業は確かにとても難しいものだなと思います

 

それでは僕はどういったかたちで音楽を仕事にしようとしているかというと技術職と教育職の複合を考えています

ミックスやマスタリングエンジニアなどの技術職はアーティストのような運的要素は少ない

この分野は相手の要求に応える仕事であって自分のオリジナリティを全面に出すものではありません

また、1曲あたりの価格設定を自分で決めたり相手と交渉できたりするので案件が定期的に周ってくるようになれば固定収入を得られるようになり博打的要素が減少します

しかしながらこの案件を獲得するまでの道のりはそう簡単なものではなく相手が依頼をしたくなるような成果物やポートレートが必要になります

今の時代に合わせるならばSNSなどをうまく活用して自分の成果物を表に積極的に出していくことがこの仕事を獲得できる一歩になるではないかと思います

 

そしてスキルがある程度あがればおのずと他の人にアドバイスができるポジションに着くことが可能になるため教育的な仕事の可能性もみえてくるでしょう

どちらにせよ簡単な道のりではないですが、嫌な仕事を作業的にこなしているよりは圧倒的に成長しやすくストレスもかからないと思います

 

これは個人的な意見になりますが人が最も力を発揮できるときとは自分が好きな分野に取り組んでいるときに他ならないと思います

 

 

趣味を仕事にすると辛い?

これに関しては完全に人によりにけりだと思います

僕にとっては趣味が仕事と同化しているという状態が一番望ましいと思っています

ですが仕事と趣味を完全にきりわけて生きている方々もいらっしゃいますし、冒頭でも述べた通り趣味であったものを仕事に切り替えると少なからずストレスが溜まる瞬間がくるので難しい問題ではあります

 

ただ楽しさとストレスを天秤にかけたときにストレスに比重がいかないほうを選択するのがベストだとは思います

 

 

 

音楽を仕事にするだけならプロ中のプロは目指さなくてもいい

前提として音楽に対しては全力で取り組むべきです

ただプロの中でも一目おかれる存在を一気に目指さなくてもいいとは思います

 

当然最低限のクオリティーは必要になりますが営業など自分をプロモーションする能力が仕事をとる上ではとても重要なことではないかと思います

 第一線で活躍している人たちは確かにすごいです

 

ですが彼らはときに身を削り心身を破壊寸前にまで自分を追い込んで作品を生み出しています

その音楽に対する向き合い方は本当に作曲が好きなんだなと思わされますし圧倒されます

 そしてその光景をみるとこのひとたちには勝てるわけがないと思ってしまうのです

 

芸術という分野に本来勝ち負けというのは存在しなのですが、それでも歴然とした作品のクオリティの差をみせつけられると自分のモチベーションを保つのが非常に難しくなります

 

恐ろしいのはこの現象は上にいけばいくほどその気持ちが増幅していくという点です

 

この上をみたらきりがない状態を抜け出すにはある種の諦めが必要だと思います

 

まず前提としていくら憧れのアーティストのような音楽がつくりたいと頑張っても一生無理です

何故ならその憧れのアーティストという人間はこの世にひとりしかいないからです

 

先天的な能力、音楽的嗜好、これまでの人生経験、生活スタイルなど全てが完全に一致している人間は存在しません

 

ですので、最初は模倣から始まったとしてもいつしか自分のスタイルというものを確立しなければ“個性”を出していくのは難しいでしょう

 

自分にしかない能力というのは必ずあるはずで、その能力は自分が憧れている人も持っていなかったりします

それを発見しひたすら磨いていくというのが自分の創作活動を豊かにしていくうえで大切なことなのではないかと思います

 

よってここの分野は自分には向いてないと素直に諦めることも大切ですし、井の中の蛙であることに落ち込む必要性はないんじゃないかと思います

 

そもそも作曲できるだけで凄い

曲制作にある程度なれてくると、自分なりのこだわりというものが生まれてきます

 

音作り、コード進行、ミックス、マスタリングなどなど…

 

そして完璧を追求するあまり作品が一向に完成せずメンタルを病むというサイクルが結構な確率であります

 

作品とは発表しなければ何の意味もありません

完璧を追求して何も発表しない人よりも、不恰好でもいいから完成させ続けられる人の方が成長は早いと思いますし、心が闇におちるという確率も少ないでしょう

 

これは僕にとっては恥ずかしくもブーメランな発言で自戒の意味をこめて書き留めておきます

 

そもそも曲をつくれるという能力はそれだけで充分凄いです

 

誰かに趣味は何なの?と訊かれて“作曲”と答えると驚かれます

なので自信をもってどんどん作品を発表することがおすすめです

 

音楽を聴くのはほとんど素人

作品を聴かせるときに専門家だけに聴かせるという方法もあまりお勧めできないです

その曲をきくほとんどの人は素人であり、作曲を始める人は皆最初は素人だったはずです

 

専門家に否定的な評価を受けても素人からは肯定的評価を受けることも普通にあるので、いろいろ葛藤している人はジャンルもなにもわからない一般の人にきかせて感想をもらうというのは非常に有効な手だと思います

専門家には感想というよりはアドバイスという形式でフィードバックをうけて次につなげていくのがいいのではないでしょうか?

 

最後に

今回は僕の個人的な見解にもとづく記事となりましたので、賛否両論あるとは思いますが、自分のつくった音楽はどこにたどり着くのだろうと考えて振り返る時間も大切じゃないかと思い、このような内容とさせていただきました

 

僕自身もそうですが何事も楽しんだもん勝ちです

楽しさを忘れないことが全てだと思います