
DTMにおけるミックスは音楽をつくったことがことがある人でないと細かい違いが伝わりにくいことが多いのですが凄い人のミックスは曲作りをしたことがない人でもなんか音が綺麗といった感覚的なレベルで理解ができます
というわけで今回が僕が個人的にミックスが凄いと思う曲をあげていきたいと思います
人によって理想の音というと異なる点が多々あると思いますが、あらかじめ僕の指標を以下に示すと
- 音がでかい(音圧が大きい)
- 音が立体的である(ステレオ感が凄い)
- 無理やりコンプやリミッター等で潰してる感がない
こんな感じです
最後の無理やり潰している云々に関しては僕が主としてつくっているHardcoreではある程度仕方ない部分があるとは思っていますがそれを踏まえても凄い音源というのは存在するので紹介していきます
目次
- Mr. Bill & Au5 – Articulate This
- The SATAN – Beast
- Laur – Into The New World
- ミックスによって音質や聴きごごちのよさは格段に変わる
Mr. Bill & Au5 – Articulate This
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この曲に関してはイヤホンまたはヘッドホンで聴くことをオススメします
そして音の左右前後の配置を意識して聴いてみてください
まさに音の3D空間というかひとつひとつの音が前後左右にひろく配置されており音同士のぶつかり、いわゆる団子状態というものが一切ありません
これだけのステレオ感ってだそうと思ってもなかなか出せるものではないんですよね
ただパンを左右に配置してもこうはならないというか
そもそも音作りの段階でかなり精密に練られているというかどうやってこんな音つくってるんだろうって感じです
Mr.BillとAu5の曲にはいつも腰を抜かすほど驚かせられますがその中でもこの曲は特に素晴らしい作品だと思います
The SATAN – Beast
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Hardcore界隈でも皆な口をそろえて頭おかしい(褒め言葉)というThe SATANですが
まず音でかすぎます
音圧が他のジャンルよりも大きくなるHardcore系統でもこれほどのでかさを出してるのはアーティストを僕は知りません
普通ミックスを終えたあとにマスタリングで音圧をマキシマイザー等で音源が破綻しないぎりぎりまで処理したとしてもここまで音はでかくなりません
さらにここまで音圧おばけな状態でありつつも空間が潰れずしっかりとステレオ感のある曲になっているので空間系の処理も相当な技術がないとこの領域には到達できないはずです
ロシア出身のアーティストなのですがきっとロシア製の非買のプラグインを使っているに違いありません
※音量注意
Laur – Into The New World
今大活躍中のLaurさんの楽曲
2018春M3という同人音楽の即売会イベントでリリースされたアルバムのラストトラックになります
M3ってなに?って方は以下の記事を参考にしてみてください
まず曲ミックスとか置いておいて曲そのものが非常に美しく素晴らしい作品ですね
この楽曲何が凄いかというと生楽器の打ち込みが多いのにもかかわらず音圧が異常なんですよね
電子音と違って生音というのは非常に音割れを起こしやすいため、音圧を確保するのが
非常に難しいはずなのですがこの楽曲はそんなことはおかまいなしで曲を破壊することなく音圧が凄まじいことになっています
またまた余談になりますがこのアルバム、生音主体の曲もあれば電子音全開あるいはその複合系の曲など様々なジャンルが1つのアルバムに集約されています
それら異なるジャンルを同音圧に保つのはそうとうな技術が必要なのは想像にかたくないのですがLaurさんは見事にやってのけてますね
凄いを通り越して恐ろしいです
Laurさんのアルバム試聴及び購入先はこちら↓
ミックスによって音質や聴きごごちのよさは格段に変わる
以上違う系統の曲を3曲に絞って紹介してみましたがいかがだったでしょうか?
日本に住んでいると基本的にボーカル曲にスポットがあたることが多いので”ミックス”という用語ひとつ聞いてもボーカルの編集だけだと思われるかたももしかしたらいるかもしれません
しかしながら実はそう単純なものではなくひとつひとつの音全てに細かい処理を施して1つの曲が出来上がります
そしてその技量によって音質の良し悪しや聴きごごちの変化が誰にでもわかるレベルであらわれます
今回は全てボーカルなしの曲をあえて紹介しましたがどの曲もミックスはもちろんですがアレンジ(編曲)の段階で音がかなり整理されているという印象を受けます
自分の好きな音を無理やり全部つめこむのではなく、それぞれ鳴っている音に対して明確な役割をもたせておりパズルのピースを埋めるがごとく配置されているといった感じです
どうしても曲をつくっていると自分の好きな音を全部いれたいと思って多少強引にでも詰め込んでしまうことがあるのですが、それをやってしまうと音が喧嘩しあってなんかこもって聞こえたり主役の音がどれかわからなかったりしてしまうことがよくあります
技術で殴る力があれば多少の無茶も許させるのでしょうがうまくいかないことのほうが多いです
世の作編曲家の方たちはこういったことを常に考え音を配置しているので、全く曲をつくらない人でも普段意識して聞かない音をあえて意識的に聞いたりするとなるほどなーとなることがあると思います
そういった音楽の楽しみかたをしてみるのもたまにはいいのかもしれません