“コンプレッサー”という言葉を聞いただけでやる気を全て吸われるという現象があります
これだとコンプ感が・・・
とか
コンプ臭さが・・・
という表記があったりしますが何ですかそれ?
頼むから君たち日本語を喋ってくれ
とくに“コンプ臭さ”ってなんだ?
どんな匂いだ?お前は何を言ってるんだ?
僕はコンプの使い方を調べるたびにこう思っていました
そしてアタックやリリース、レシオという用語の解説が入りそれぞれの設定をこの数値にしてはい完了!
みたいな・・・
正直ものわかりが悪い僕は全然理解できませんでした
さらに話がマルチバンドコンプになるともうホントだめで難解すぎて心折れました
このようにDTM始めて間もない人ってこのコンプレッサーという存在がかなり壁となってるではないかと思い今回僕なりにコンプの記事を書くことにしました
それでは茶番が長くなりましたが本題へ移りましょう
目次
- そもそもコンプレッサーは何をしているのか?
- コンプの使い方はいろいろある
- 一番効果が聴覚上わかりやすいのはリズム隊にかけること
- 音圧をあげるためにコンプを使うという表現について
- コンプをリミッター的役割で使う方法
- 結論:コンプは使用目的を考えて利用しよう
そもそもコンプレッサーは何をしているのか?
これは一言でいえば圧縮です
皆さんホラー映画って見たりしますか?
見てて通常の会話はすごく小さく聞こえるのにお化けが出てくるとぁぁぁあああ!!
みたいにメッチャうるさくなりますよね
もうちょっと音量差なんとかしてよ・・・
そんなときにコンプレッサーが必要になったりします
急にでかくなった音量をおさえつけることによって相対的に小さい音量との差をなくし
、全体を通しての音量を安定させるのです
ほんとにざっくりいうとこんな感じです
コンプの使い方はいろいろある
コンプってよくミックスで音圧をあげるためにどうこう言われてたりしますがいろいろ他にも使い方があったりするのでコンプを使うときはどういう意図でコンプを使うのかを自分の中で明確にしてから各種設定を行う必要があります
代表的な使い方は以下の通りです
- ボーカル等の音量差が激しい音を圧縮して平均的な音量を上げる
- キックなどリズム隊のアタックを強調する
- 予期せぬ瞬間的な音量の跳ね上がりをリミッター的な役割でおさえる
他にもコンプの用途ってたくさんあるのですが僕が説明できるだけの技術がないのとあまり初心者向けではないので今回は割愛させていただきます
いずれ別記事で記述していこうと思います
一番効果が聴覚上わかりやすいのはリズム隊にかけること
こと電子音楽においてはキックにコンプを挿すってよくみる文言だと思うのですが、正直なところ必ず挿さなければいけないってことは僕はないと思います
キックのアタックをもう少し強調したいとかそういった何かしらの意図が自分の中で説明できなければ挿さなければマシだったりすることもよくあります
特に最近のキックのサンプルパックとかほんとによくできてるので
ただ、それでもなんかみんなコンプ使ってるし、コンプを挿す挿さないの違いがわからないというのは嫌だと思いましたので今回はキックの音源を用意しました
コンプなし
コンプあり
どうでしょうか?
違いが全くわからん!?
そんな方はまずオーディオ環境をなるべくよくした状態に聴いてみてください
加えて今回コンプで何を意図して狙ったかというとキックのディケイ部分、つまりはドンワっという音のうちのンワの部分を押さえて相対的にアタックが目立つようにしました
コンプなしのほうはンワというディケイの部分が凄い勢いで低音マシマシになっているのに比べてコンプありのほうはその部分の盛り上がりが少なくなっていると思います
もしディケイの部分に着目しても違いが不明な場合はキックのアタックに注目して聞いてみてください
コンプなしにくらべてコンプありの方がアタックが強調されているように聞こえると思います
それでもわからなかったら僕が駄目なだけなので申し訳ないです
コンプってEQと違って音の違いが結構わかりにくいですよね
そこがDTM始めたての方が挫折するポイントになってしまうのは本当にうなずけます
全然違いわからんぞボケ!って方はお手持ちのDAWに適当なキックのサンプルを読み込ませて何でもよいのでコンプを挿してアタックをやや遅め15~20msくらいにして試してみるとわかりやすいかもしれません
要はコンプのアタックを遅らせることによってキックのアタックにはコンプが反応しないようにし、ディケイの部分だけを潰すことによってキックのアタックが強調されたように聴こえるのです
なお当記事においてはアタック、リリース、レシオ等の用語解説はあえてしません
「コンプ 使い方」でググると死ぬほど解説記事が出てくるので
音圧をあげるためにコンプを使うという表現について
これについて先ほどホラー映画云々で説明した中にヒントがあるのですが、コンプでクソでかい音をおさえて小さい音の差を埋めることにより平均的な音量があがって聞こえます
もしホラー映画に極度にコンプをかけてお化けがギャーと出てくる音量とその前の静けさの音量が同じだったら迫力にかけるでしょう
またクラシックとか音の強弱が重要視される音楽において過剰にコンプをつかってその強弱がなくなり全部同じ音量の感じで聞こえたらそれは盛り上がりにかけるでしょう
しかし電子音学というのはあまり強弱という概念がありません
なのでコンプで結構潰しても全体のサウンドが崩壊するということも少ないですし、音圧が求められる世界でもあるのでむしろ積極的に潰して音量差を縮めて音圧をあげる装置として活躍しているのでしょう
コンプをリミッター的役割で使う方法
曲制作をしていてある程度完成された音源を聴いてピークメーターを確認しているとある瞬間だけ一気に音量レベルがあがる瞬間があります
これは聴感上はそんなにあがったようには感じないのですが、たまたまある周波数同士がぶつかりあい、その結果急にピークメーターが上昇すると僕は考えています
これを防ぐためにマスタリングの工程でトータルコンプといってアタックを最速にして
その一瞬のピークをおさえるという手法があります
これも音圧を出すことを目的として用いられるコンプの使い方といえます
結論:コンプは使用目的を考えて利用しよう
最初のほうでも述べた通り音圧的目的で使いたいのかピークをおさえたいのか、キックのアタックを強調したいのかなど、その目的によってコンプのアタックやリリース、レシオの設定も変わってきますし使用するコンプ自体も変えたほうがよかったりしてきます
ですのでミックスをする際にとりあえずコンプを挿すということはせず挿す目的をはっきりさせた上でしかるべき設定を自分なりに研究していくというのがコンプを理解する上で一番の近道なのではないかと思います
今回の記事ではあえてアタックはこの数値でリリースはこの数値みたいなことはしませんでした
何故ならそれはコンプの使用目的や使用する音色によって設定が大きく異なるからです
なのでコンプがよくわからん(僕もいまだにありますが)っていう方はとにかくコンプの設定をいろいろ派手に弄くってみて音の違いを理解することから入るというのもありなんじゃないかなと思います
フェーダーやEQと違い難しい分野ではありますがこればかりは日々実験していくしかないと思っています
またフェーダーやEQでつまづくと自動的にコンプでもつまづくので、まずは音量バランスとEQの使い方をある程度理解した上でコンプにチャレンジするのが僕的にはおすすめです
そして当ブログ含めネット記事だけではミックス全然わからんという方には一度書籍で体系的に学んでみるのも充分にありだと思います
この書籍であつかっているのはポップスですがミックスの本当の基礎というのは割りと共通している要素が多いので電子音楽をやっている方でも充分に役に立つのではないかと思います
ミックスの工程が体系的に書かれているのと見本音源と素材音源が同梱されたCDもついてくるので、自分のミックスにどこに穴があるのかを発見できるという点でもよい技術書だと思います