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ミックス・マスタリング

車のスピーカーで自分の曲を聴いたら重低音で全てかきけされてた話

よく重低音強化とかいってめっちゃ音をバフバフさせてある音源があったりしますが何事もやりすぎ注意ですという話です

車のスピーカーで自作の重低音バフバフ音源を流してみた

今回試した車のスピーカーはわりと低音が出るタイプのカーオーディオだったのですが、自分の曲を流してみると見事にその重低音によって中域や高域が消し炭にされていました

もうほんと低音しか聞こえないんです、マジで

以前電子音学と生音音楽の周波数分布という記事においてライブハウスで自分の作った曲を流したら高域がうるさすぎて発狂してたという感じのやつがあるんですが今度はその逆を経験しました

www.ytek303.com

ミックスの技術がどうこういってる当人がいまだに周波数帯域のバランスがとれていないという矛盾に僕自身がもうハァァァァアアアアアアってなってます

目次

ボフボフの実を食べた全身重低音ボフボフ音源

今回ハァァァァアアアアってなった音源の周波数分布がこちらになります↓

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この音源をつくっているさいに前回の失敗を繰り返さないように低音をしっかり含めて高音キンキン音源にならないように心がけたのですが今度は低音いれすぎて無事死亡といった感じです

カーオーディオのEQが相当低音を爆発させているのでは?
という仮説も立ててみたのですが同じCDに入った別の方の音源は全然ボフボフ音源ではなくほどよい感じだったのでやはり僕の音源に問題があるということになります

ミックスにおける全体の音量バランスのミス

まず思い浮かぶのは単純な音量バランスのミスです

自宅と車では随分とオーディオ環境が異なります

ですのでどうしても音量バランスは自宅のオーディオ環境に沿ったものとなるのですが車やスマホなどいろんな環境で鳴らしてみてベストな調整をできるようになる必要がありますね

僕の場合は低域はなるべく大きくなっていたほうがいいとう考えが頭にあるのでどうしても無駄にキックとかベースが大きくなってしまう傾向にあるのでしょう

低域は曲に迫力を与える要素としてかかすことができない要素ではありますがそれによってメインの中域(例えばボーカルやシンセリード)がかき消されてしまっては本末転倒なのでここらへんのバランスは意識的に気をつけなければなりません

60~100Hzが中域や高域をマスキングしているのでは?

まず思ったのが60~100Hzのですぎという点です

そもそも人の耳が音として認識できる限界って60Hzいくかいかないかどうかだと勝手に思ってまして今回実験で使用した音源は耳で聞くことのできる低域が非常に多く含まれているのがボフボフの実を食べた全身低域音源の原因になってしまったのではないかと考えています

人の耳で聞くことができるかつ音の振動の力もある帯域ゆえに完全に他の中域や高域の音を食ってしまい、キックしかなってないというほどの大惨事になってしまったのではないかと思います

ちなみに音の周波数がぶつかり合ってある音が聞こえづらくなる現象をマスキング効果といいます

一般的に低域は高域をかき消しますが高域は低域をかき消すことはありません

日常生活を例にあげるなら都内の駅のとか行くと人ゴミやばすぎて特定の人の声が聞こえづらくなりますよね?

あれがマスキング効果です

カーオーディオは50Hz以下は音として出づらい

さきほど同じCDに入ったほかの音源はボフボフしてなかったといいましたがその音源の周波数分布が以下のようになっていました↓

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図を見ればわかるとおり低域の山頂が50Hz近辺になっているのがわかります

僕の音源よりもより低い帯域が多くなっています

ですがこの音源がボフボフ音源になっていなかったということはおそらくカーオーディオで50Hz以下を再現することは不可能だという仮説をたてることができます

しかしクラブなどのより音響が整った環境ではこの帯域までカバーし、なおかつリスニング的な音としてではなく振動として機能するためこの帯域が全身に振動として伝わることで踊りだしたくなる気分を高揚させます

中低域のぶつかりあうミックスになっているためなんかモコモコした音に

あらためて2つの周波数分布の図を見比べてみましょう

– 僕の音源 –

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– 参考音源 – 

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図にモコモコ帯域とかいう意味不明な単語が記載されていますがモコモコ帯域とは俗に言う中低域です

具体的な周波数であらわすとだいたい200~300Hz前後くらいですね

ここらへんの帯域というのは色んな楽器がもっている周波数になるのでどうしてもぶつかりあってEQでうまくカットして音に役割分担させないとすごくモコモコしてぼやけた音になりやすい帯域です

そして僕の音源の周波数分布をみればこの帯域がめっちゃ出てしまっているのが一目瞭然ですね

そしてこのモコモコ成分が大きいせいで音源全体がすごくぼやけてていてスッキリしていませんでした

対して参考音源の周波数分布をみるとこの中低域だけやたらと少なくスッキリしています

カーオーディオで聴いたときもかなり綺麗に音が聞こえてきました

個人的な結論にはなりますがこの中低域もかなり中域や高域をかきけしている要因になっているだと思います

ミックスにおける中低域の処理の仕方について

この中低域はじゃあマスタリングの作業でEQで削ればいいじゃんって思っちゃたりもするんですが、僕はその処理の仕方をしてしまうと本当は必要な音の成分までも削ってしまい本末転倒な結果になることになると思っています

また、マスタリングでのEQは劇的に音源をよくするという工程ではなくあくまでもミックスまで終えた2mix音源を微調整するための処理だと思っているのであまりおすすめしません

よってこのような問題をみつけた際はミックスの工程まで戻り個別の音源に対して不必要な中低域は削るという手法をとったほうが全体を破壊することなく本当にいらないところだけ削ることができ、それが結果的に音源全体のクオリティのアップにつながると思います

またもっというと編曲の段階までもどって不必要な音は思い切って存在ごと消すというのもありといえばありだと思います

といいいますのも、どうしても曲を作っているとあの音もこの音もいれたいという欲求が無自覚に生まれ同時に鳴っている音の数がどんどん増えていっていき、それによってどんどん処理が難しくなります

特に音圧をあげたいという目的がある場合は同時に鳴っている音の数はなるべく少ない方がいいです

プロの方は音数が多くてもそれを処理する技術があるのでなんとでもなるのですが僕みたいにまだまだペーペーな技術力しかない場合はなるべく必要最低限の音数で処理する能力を身に着けたほうがいいのかなと思いました

おのずとそれぞれの音の役割も考えて音を配置するようになりますしね

結論 : 低域は可聴範囲の周波数の出しすぎに注意、中低域はなるべく削る

今回の曲をつくる前、僕はどの周波数も満遍なく出ているのが一番バランスのとれた音源になるんだろうなと思っていたのですがどうやらそれは少し違うっぽいことに気づきました

結果的には満遍なく周波数分布は埋まっていたほうがいいのですが似た周波数特性をもった音同士が喧嘩してしまうと聞かせたい音がぼやけてしまいますし、なによりアナライザーを過信しすぎて無理やり足りない帯域を埋めるというやり口はあまりいい結果を生まないなといった感じです

最終的には自分の耳を一番の根拠にしたミックスが一番いいと思います

もちろん使用する音色にもよったり細かいことをいえばいくらでもありますが、ひとまず低域もただめっちゃ出せばいいってもんじゃないのと中低域は要注意ってことですね

電子音学と生音音楽の周波数分布